有森也実いまそかり

　2002年11月

(11/30)最近いい感じの女の子と電話。彼女の友達が片想いしている男がクマのプーさん大好き男だと発覚したそうだ。「部屋にいっぱいぬいぐるみがあるんだって！」「え、まあ、俺も競馬のぬいぐるみが少しはあるしねえ、いいんじゃないの」「だって、いたさんのは競馬の延長みたいなもんでしょ。プーさんよ、プーさん」「うーん、いいんじゃないかなあ」「ちょっとその人考え直したらってその子に言っといた」。キミが今、この部屋に足を踏み入れたなら、何を言われるか分からないな、馬のぬいぐるみはともかく。

(11/27)このごろ何度か食事している女の子と平日デート。池袋で映画を見て、丸ビルで見物がてらランチとショッピング。「いたさんのお部屋に行ってみたいな」って言い出すから、「いや、散らかってるから。とても１時間やそこらじゃ片付かないんで」とお断り。競馬や鉄道の話はしているが、モー娘の話はしていない。クリスマスイブは都合で会えないというので残念に思っていると、「他の子と二人きりで過ごしちゃだめですよ」って言われた。おお、これって縛られてる(11/11参照)じゃないか、嬉しいぞ。明日、早速“他の子”としていたイブの約束をキャンセルしよう。

(11/26)上司との会話。「明日は休暇をもらいます」「ふーん、いいけど」「デートですよ」「はは、どうせまたモー娘でも行くんだろ」。ところがホントにデートだったりして。

(11/26)先日、会社帰りに後輩Ａ君（仮名）から電話があり、合コンに参加しろと言う。暇だったので４対４（お相手はバイリンギャル）に参戦。しばらく２対２に分かれて喋っていた。こちらでは私が、あちらでは田畑智子似の女が盛り上げていた。席チェンジで田畑似と話すことになったがよく喋るムードメーカーが二人いるとかえって難しい。しばらくすると互いに呼吸をつかんでボケとツッコミを交互に分担。次第に８人全体を盛り上げていき、皆がふたりの掛け合いを楽しむ。で、結局、目の前に座っていた習志野に住むかわいい社長令嬢とは深い話に至らず散会。なんで数合わせで呼ばれて道化役にならないといけないんだろう。まあ、それ以上に、合コンの横に位置してしまったカップルは居心地悪そうだったが。

(11/23)大関朝青龍が来場所も横綱不在のまま連続優勝して横綱昇進なんてイヤだ。稽古熱心で真面目にやってるのは十分理解するけど、荒々しいのでなく相手にケンカ腰というのがいかがなものか。それこそ、小錦のほうがよほど品格があったと思う。

(11/23)今年３月に知らない人から「お久しぶりです。▲藤＠愛知県です。１７日の宇部市健康マラソンに参加とのことですが情報何かありますか？板●さんは行かれますか？」という意味不明のメールが届いたことがあった。私は昨年まで名古屋にいたが、親しい「▲藤さん」はいなかったし、そもそも「板●」という名前ではない。そのままにして忘れていたのだが、昨夜興味本意で自分のハンドルネームでヤフー検索をかけてみてようやく意味が分かった。このサイトの管理人と勘違いされたのだ。健康ないたさんに送るつもりがビョーキのいたさんに送ってしまっていたということ。ちなみに、私は小学３年の時に「いたさん」と呼ばれ始めたのでもう２０年以上になる。

(11/22)職場にワニブックスから「アップトゥボーイ」が資料として届けられた。これで今月は自分で買わなくていいと思って喜んで見ていると、バイトの女の子が、いやらしいー、という感じで私を見ている。ヌードは載ってない純粋なアイドル誌なんだ、ほらとページをめくりながら弁解すると、かえってアダルト誌のほうが健全よ、という冷たい目をされた。

(11/21)先月から約束していた女優の卵（レッスン中）と飲む。「いくつなの」「22歳です。おいくつなんですか」「28歳だよ」。じーっとこちらを見ている。「あ、誕生日が来て29歳だけどね」と嘘っぽく言うと「そうなんですかあ」。突っ込まれることもなく、そのまま解禁されたボジョレーヌーボーなど空けながら楽しいひとときを過ごした。純粋な女の子に嘘をついちゃいけないと少しだけ反省。今日が29歳の誕生日なのは3歳下の弟であった。

(11/19)２４歳の誕生日だという女の子にランチをご馳走。「俺はどうしたらもてるんだろう」「うーん、いたさんは優しいからもててもおかしくないと思うよ、モー娘さえ止めれば」。帰り道、彼女の趣味のボディーボードの話に。「この季節でもやるの？」「今週も湘南に行くけど」「よっぽど好きなんだね」「そうだね、こんなに寒くなってきたのにバカだよねえ、ほんとバカだと自分でも思う。やりながらなんで海に来てるだろうって思うもん」「でも、興味ない人からバカじゃないかって思われるくらいやってこそホントの趣味だと思うよ。俺だって、なんでこんな遠くまでコンサート見に来てるんだろうって思うもん」「そう言われると、いたさんがおかしくないって思えるね」。本当にそう思ったかどうかは分からない。

(11/17)司法試験に合格したＺの祝いということで同級生Ｍと３人で飲むことに。先月マネキン買い(10/12参照)した服装で出かけた。久々に会ったＭが私を見て、「大学の時からファッションが安定してる」と言った。うーん、パステルカラー好き、単色はあまり、といった趣味は確かに変わらない。ハタチのころと服装の趣味が変わらないというのも変なんだろうか。

(11/14)当欄に登場（99/12/20）したこともある大学の同級生Ｚが、苦節十数年、遂に司法試験に合格した。とても嬉しい。彼とはクラスが同じ、ゼミも同じ、生年月日も同じということで私の大学時代の数少ない現在まで交流のある友人だ。しかし、卒業アルバムのゼミ集合写真で上半身裸にネクタイという姿で写っているような男が合格するなんて、司法改革のやりすぎじゃないのか、と思ったりして。

(11/12)朝刊各紙の１面は北朝鮮拉致問題で遺骨が別人のものと判定ということ。これを1面でも３面記事でもまともに扱わない朝日新聞はいくらなんでもまともじゃない。

(11/11)テレビのチャンネル選択権の話から「かみさんに縛られちゃって家じゃあ何も自由にできないよ」、と40代男性が言う。それを聞いた私は返す。「私なんて誰かに縛られたくてしょうがないです。だって縛られないとあまりに自由で、昨夜だってモー娘の最前列65000円で落札したって誰も止めてくれないんですから」。

(11/9)先月の話。女の子と観光地を歩いていて、手を繋ぎたいなあって言ってみたら「手が汚れてるから」。そんな断られ方、初めてだよ。(11/11　ご本人から、女性らしいきれいな手をしていないから、っていう意味です！とプーっとされた)

(11/6)女性から職場の内線がかかってきた。「モシモシ〜（声色）」「はい、あーどうも（誰だろう）」「あー、分かっちゃった？」「え、そりゃもう（誰だ）」「それでね、この前のことだけど」「ああ、はいはい（いつの何だろう）」「あれ、こっちでやっちゃったんで」「ああ、そうですかあ（何だったっけなあ）」「じゃあ、またねえ」「はーい、どーもー」うーん、いったい誰だったんだあ。そう言えば学生時代、「もしもし、わたしぃ、誰だか分かるぅ〜」なんていたずら電話もらって３分くらい分かったフリしてしゃべったことがあったなあ。

(11/2)癒し系ノーベル賞受賞者フェロー田中さん。彼の受賞決定からの報道を見ると筒井康隆著『おれに関する噂』みたいな感じがしてならない。平凡な男の平凡な生活が何故か突然ニュースで全国に流れ、戸惑う様がどんどん報道され、国民の関心事になるのだが、男が有名人然と振る舞うようになると報道がばったり止み、新たな“素人さん”がターゲットになるというもの。おそらく田中さんの髪型がかっこよくなったり、カメラの前で流暢に喋れるようになると国民は見向きもしなくなるだろう。そっとしておいてください、と言ってる限りは追っかけられるな。

(11/1)連休はどこか行くのかと職場で尋ねられ、大阪ドームまで娘の運動会にと答える。それで何も突っ込まれないほど認知されてるってどうなんだ。

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