『秘密』の感想

   私は映画に関しては全く見方というものが分からず、単純な感想しかないのだがそれでもちょっと書いてみる。映画を観た方、いろいろ感想をきかせてほしい。

●全体的に

広末のみならず小林薫も好きな俳優だ。登場人物が少なく、ふたりが十分に描かれていたと思う。タイアップのラーメンやＴＢＳのアナウンサーが出てくるがテレビ局制作の映画はこれだから嫌だ。

●広末について

広末の演技を注目していたが気になったのは、このコは口を開かずにしゃべるんだなあ、ということ。もっとはきはきしなさい。テレビドラマのほうが向いているかなあ。直子と藻奈美のふたつの心を演じ分けたのは素晴らしかった。うまかったからこそラストシーンが衝撃的だった。セクシーシーンもあってどきどきした。

●展開について

  最後にびっくりする秘密があると宣伝で知っていたのでいったいどういうことになるのかをずっと考えていた。岬で直子が最後を迎えつつあるときからさらに考えた。その１、実は初めから藻奈美が父を悲しませないようにと直子が憑依している演技をしていた。しかし死にかけた人間がとっさにそんなことはしないからダメ。その２、バスの運転手の息子が実は小林薫の息子で藻奈美と結婚させることで子供を作らせないようにする。これなら世間的にも娘を嫁に出すことができ、直子の操？も守れる。

  しかし、最後に（客に対して）明かされた秘密とは直子は直子のままだったということ。これで良かったんだよな、か。小林薫ホントにそれでいいのか、叫ぶんじゃないのか。うーん、一緒に行った人は最後にどんでん返しがあるのを事前に知らず、岬がラストシーンだったらよかったのにと言っていた。私は家に帰ってからも気持ちが悪かった。あれからどうなったんだろう。テレビドラマならあの続きを見なければ気が済まないだろうが映画はあの終わり方でも許される。それだけに最後のＴＢＳのクレジットは勘弁してほしかった。

●終わりに

  竹内まりやが歌う主題歌『天使のため息』のおかげで印象が5割くらい良くなっていると思う。♪ひっとはなあーぜーえみな、が流れるとジーンとくるんだなあ。いろいろ批判されているがやはり広末はいい。できれば年に映画1本、テレビドラマ1本、アルバム1枚くらいのペースで活躍して欲しい。『鉄道員』といい今回といい、おそらく彼女はスタッフに恵まれている。このまま大切に育って欲しい。