エンジョイ一口会員これは2,001年7月に私が著者に依頼されて書いた元原稿です。この文があのように編集されました。興味のある方はご一読ください。名古屋から東京に引っ越す準備でおおわらわの時期に書いたものなのでかなり雑ですね。
エンジョイ 一口会員 （仮題） ハンドルネーム いた （男 名古屋市 会社員 30歳） （競走名は当時・年齢は旧表記） 私は毎年カタログをもとに2頭出資している独身サラリーマン会員です。バブル期に大学生活を東京で過ごし、アイネスフウジンのダービーで競馬を始めた競馬ブームの申し子のような者です。相馬眼などありませんし、たいした持論もありませんので馬選びのコツなどは語れません。しかし、今や私の人生の一部と言って過言でない一口会員ライフについてマイネルマックスを中心にお話します。 社会人になったら理念を明確に打ち出しているラフィアンに入ろうと決めていたので就職してすぐに入会し、幸いにも2年目にマックスを持つことができました。マックスは2歳秋の2次募集で、募集価格が3500万円（１口35万円）とクラブの内国産としてはかなりの高額でした。募集当時、前年出資した最初の愛馬が未出走で一口の厳しさも知らず、1次募集で希望した馬が抽選もれし、もどかしさからカタログに載っている内国産の一番高い馬を買おうと決めていました。その後、最初の愛馬は未勝利で引退、そんな「普通の現実」を経験したあとなら絶対に高馬を選ぶことはできなかったはずです。愛馬2頭目がマックスでしたので、3歳8月の新馬勝ちが私にとっての愛馬初勝利でした。次は当時北海道シリーズ№１決定戦の函館3歳Sに出走するというので、当時住んでいた金沢から函館競馬場まで応援に行きました。そして彼は勝ったのです。こんなにあっさり重賞を勝ってしまったものですから、その後も京成杯3歳S、朝日杯3歳Sと連勝して最優秀3歳牡馬と頂点に上り詰めても、感激はしていても一口ってこんなものなのかと思っていたところがありました。 ところがです。クラシック主役となるはずだった彼は皐月賞トライアル直前に熱発でリタイア、結局NHKマイルカップからダービーという変則ローテーションを余儀なくされ結果も惨敗。秋3戦も入着できず。そこで初めて私も現実に気がつきました。今までができすぎだったのだと。 しかし、そこからが彼に対する想いを募らせていく過程でした。5、6歳時はそれなりに走るも勝ちきれず、もどかしいレースが続きました。そして私はその殆どのレースを横断幕（「GetMyLove激しく マイネルマックス」）を持って現地応援に出かけたのです。私は金沢・名古屋に住んでいましたので中央４場でさえ全て遠征です。新潟や小倉にも参りました。パドックでは写真を撮り、ビデオをまわし、直線では思い切り叫び…。応援したからと言って配当が増すわけではないですから、全く無益な行動です。しかし、私にとって彼が全てでした。何度負けても、どんな強いメンバーと走っても必ず勝つと信じて応援していました。松沢さんを始め、マックス会員のみなさんとも知り合うことができました。滑稽でしょうが彼への想いは強まるばかり、身の回りの怠惰な日常から一時でも逃れる手段にしていたのかもしれません。その間、毎年父内国産2頭に出資し、中長距離の逃げ馬としてマイネルナチュラルが活躍するなど会員ライフも充実していきました。 そして6歳暮れ、ついにやってきました。クリスマスSで3年ぶり、20戦ぶりの勝利。長かった、本当に長かったと人目をはばからず嗚咽。彼を信じてきて本当によかったと思った瞬間でした。朝日杯を勝ったときよりも喜びは大きかったと言えます。インターネットを通じて知り合ったたくさんのラフィアンの会員さんも一緒に喜んでくれました。この日の感激のために西へ東へ遠征してきたんだなあ、と実感しました。その後も応援を続け、40戦のうち34戦（2001年７月末現在）を現地応援しています。 もしかするとニ度と出会えないようないい馬と一口会員の最初に出会ってしまったのかもしれません。しかし、多少一口ライフを経験するとどんな馬にも思い入れるようになります。未勝利戦を走るようになってから横断幕を作った馬さえいます。熟考の末に決断して出資したのならたとえマイナスだっとしても結果に納得できるのではないでしょか。また、せっかく一口ライフを過ごすなら、自分なりの楽しみ方を見つけて、思いきり楽しんだほうがお得だと思います。まだニ度だけですが、静内のビッグレッドファームで休養中の愛馬をなでたり調教を見学したりしたときには会員でよかったなあと思いました。 私が一口ライフを楽しんでいるのを見て、何人もの知人が入会してくれました。会員同士寄り合って居酒屋で募集カタログを見ながら意見交換や愛馬自慢などしているといつのまにかラストオーダーになったりすることも。これを読んでいるみなさまも一口ライフ、どうですか。
主な出資馬 マイネルマックス、マイネルナチュラル、マイネルエスケープ
※「一口馬主」という言葉は抵抗があるので避けました。
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